*************プロフィール*************
            技術担当 大宮
 化粧品会社直営サロンに長年勤務し、2016年春に独立。30年以上この仕事に携わる。
 美容師免許を保持しAEAJアロマアドバイザー、本草薬膳コーディネーター、Deep Therapy認定セラピストの資格を有する。
 メディカルアロマやメンタルケア、更年期ケアに興味を持ち、現在スーパーフード学を勉強中。
 家族 五人+ネコ一匹。藤沢市在住。既婚
(2017.04.25)
黄色いワンピース
 よく晴れた春の日、半日以上かけて服を整理した。ここ何年も着ていなかったもの、着れなくなったもの(T_T)、そしてたぶん今後着ることのないもの。
 一つ一つ取り出してはひろげ、あぁ、この服はあそこへ行った時に着てたなとか、レストランへおめかしして行った時の服だなとか、ふっとその時の景色までが甦ってくる。そう、どの服も思い出と共にある。
 小さい頃、ピョンと飛び跳ねると、ふわっと花のように広がる柔らかな生地の黄色のワンピースが私の大のお気に入りだった。どこへ行くにもそれを着ていき、洗濯していても乾くのを待っていたくらい。
 夏のお出かけもそのワンピースだから上機嫌で、夏が大好きな季節になった。
 でもある年の夏、どんなに探しても見つからず、母に尋ねたらもう小さくなったから捨てたよと言われた。
 それはもうショックで泣いて泣いて、ずっとずっとこれからも着るつもりでいたから、自分が着られなくなる日がくるなんて想像もしてなくて。
 子供の成長は早い。だから服も靴もワンシーズンで終わりということは、大人になった今は理解できるけど、あの頃はただただ悲しくて、しばらくしょげていたのを覚えている。
 大好きだった物との突然の別れ。もうあの黄色いワンピースを着ることが出来ないという悲しみ。さすがに今はそこまで執着する服はないのだが、片付けながらふと思った。
 こうやって整理するということは、その時を思い出してありがとうと改めて思うことなんだなと。
 広げてたたんで広げてたたんで、それを一つにまとめて縛って、いくつもの思い出の固まりができた。
 『たくさんの思い出をありがとう!』
 これからの新しい思い出を作るために、春色のブラウスでも見に行こう!
 ありがとうと言って物を整理したら、気持ちもスッキリできたように感じた。あの黄色いワンピースも自分の手で広げて、小さくなったと感じてお別れができていたら、あんなに悲しくなかったかもしれない。
 人生において、新たな一歩を踏み出すために整理することも大切なことなんだろうな、きっと。


(2017.04.14)
緑園ストリート\(^-^)/
 毎朝、緑園都市駅からサロンまでの通勤途中に必ず見る大好きな木がある。
 ヤマモモの木。
 何もなかった場所に駅が作られ、綺麗に整備されて40年以上経つというから、きっと樹齢もそのくらい。
 大地にどっしり根をおろし、太い幹はまっすぐ空へ空へと向かっている。枝は大きく手を広げ、夏には赤紫の実がたわわに実る。日を受けてきらきら光る深緑の葉は、夏の強い日差しにも冬の寒さにも負けずに、雨風で葉を落とすこともなかった。
 そのすぐ横を歩きながら、抜群の安定感に惚れ惚れし、大丈夫だよと見守られている気がして、毎日元気をもらえた。そして木を見て思う。私もこのヤマモモの木のように、緑豊かなこの地に、しっかり根付いていきたいなと。
 おかげさまで、サロンデレーヴは4月26日にオープン一周年を迎えます。皆さまとの出会いを大切に、日々感謝の気持ちを忘れず、少しずつ成長して根付いていきたい。
 これからもどうぞよろしくお願い致します。
 んー、抜群の安定感…胴回りの太さだけはヤマモモの木に負けてないと思うんだけどなー( ̄∇ ̄*)ゞ
 ここはこれ以上成長しませんよーに。


(2017.04.05)
“偲ぶ”
 『北鎌倉のお寺に自分のお墓を買ったの。高台にあって見晴らしもいいから、桜の時期になったら来てね!』と笑いながらお話をされていたのはもう何年も前のこと。
『新しいあなたのサロンにもぜひ一度行きたいわ』とおっしゃっていたのに、去年の五月、体調を崩され入院となり、連絡がとれなくなったのをずっと気にしていた。
 もう20年近くご指名のお客さまで、いつもオシャレをして、シンプルなイヤリングをつけてお手入れにいらしていた。年齢を聞くとみなが驚くほど若々しく、はっきりとしたお声と姿勢よくスタスタ歩く姿に、こういう風に歳を重ねていきたいと憧れていたほど。
 知り合いから訃報を聞いたのは先月。もう昨年末には他界されていたと知った。
 どうしてもお別れを言いたくて、桜の咲きだしたこの時季に、記憶をたどりながら北鎌倉のお寺に行き、お墓を探して歩いた。
 二時間半かけて最後に尋ねた小高い丘に、自分で書いた文字を彫ってもらったと話していたそのお墓にたどり着いた。
 暖かな春の日に、ウグイスが鳴き、ミツバチも飛んできて、帰る頃にはリスも現れた。
笑顔を思い出す。凛とした声も聞こえる。今までのたくさんの感謝を伝え、手を合わせる。人を思うと書いて“偲ぶ”
 誕生日や命日、記念日、そしてふと思い出した時、誰かのことを思い出し偲ぶ…そんな日があってもいい。その人との出逢いや繋がりがあって、今の自分があるのだから。『長い間ありがとうございました。出逢えて幸せでした。また来年も桜の頃参ります。どうぞやすらかにお眠りください。』
 『合掌』